音楽なら入れ食いですが何か?

野良ネコ音吉のジャンル破壊音楽ブログ

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴィオールと映画『めぐり逢う朝』

『めぐり逢う朝("Tous les matins du monde", 1991)』というフランス映画をご存知でしょうか。『インド夜想曲("Nocturne indien", 1989)』や『リュミエールの子供たち("Les Enfants de Lumière", 1995)』などで知られるアラン・コルノー(Alain Cornea…

『山崎ハコ』と『ずとまよ』

高校時代の音吉がしていたアルバイトは、もっぱらコンサートの裏方さんでした。 来場者の整理・誘導から機材の搬入・搬出まで様々で、決してラクな仕事ではありませんでしたが、不定期とはいえ高校生のできるバイトの中では格段にギャラが高く、最小限の労力…

マイク・オールドフィールドと映画『エクソシスト』

七夕豪雨で始まり、テレビがウォーターゲート事件一色に染まり、三菱重工爆破事件で終わった1974年の夏休み、中学2年生だった音吉は3人の悪友とつるんで映画館に出かけました。ホントは行きたくなかったんですが、「音吉、怖えんだろう」 という挑発に乗っ…

吉森信と『夏目友人帳』

音吉は子どもの頃からのマンガ好き。もっぱらギャグ物と恐怖物でしたが。音楽同様の入れ食いで、面白そうだと思ったら少女マンガにも手を出していました。 とはいえ小学生の小遣いで買えたのは週に一冊。時期によって違いましたが、少年マガジンや、サンデー…

ドイツ・バッハゾリステンと楽しいバッハ

東武東上線成増駅前にモスバーガーの一号店が開店し、横浜からトロリーバスが消えてブルーラインが開業し、世界発の卓上電卓「カシオミニ」が発売された1972年のことです。 音吉は、中学2年生になるのを機にピアノ・レッスンを「卒業」したんですが、そのお…

子どもの頃にお世話になったピアノ教則本

ハノンとかツェルニー(チェルニー)と聞いて、なんとなくウンザリしたり残念な気分になる人は、子どもの頃に無理矢理ピアノの練習をさせられたか、ピアノは嫌いじゃなかったけど地道な練習が嫌いだったのどちらかだと思います。音吉は後者で、今なおその性…

河内家菊水丸と『花 ~すべての人に花を~』

そろそろ記事も溜まってきたので、もう「入れ食いネコ」の意味は説明するまでもないでしょう。その入れ食いネコ所蔵の音源でも、とくに異彩を放っているのが河内家菊水丸(1963 - )です。 フレディ・マーキュリー(Freddie Mercury, 1946 - 1991)が亡くな…

アルトゥール・ルービンシュタイン

音吉少年がショパンに入れ込んでいたお話は以前にした通りです。 正確にいえば「サンソン・フランソワ(Samson François, 1924 - 1970)のショパン」に熱中していたんです。高慢ちきといえるほど気位が高く、むらっ気があり、それでいて繊細という性分のゆえ…

国分寺トーク・ライブとデューク・エリントンの『イスファハン』

先日(7月19日)国分寺のライブハウス「Art and Jazz M's」で、東京外大教授でジャズ・トランペッターの伊勢﨑賢治さんと現代イスラム研究センター理事長の宮田律のトーク・ライブがありました。 ジャーナリストや市民活動家、学者、評論家の有志が出資し「…

レッド・ツェッペリンのファースト・アルバム『Red Zeppelin I』

1969年のことです。小学4年生だった音吉は、創刊されたばかりの『週刊少年チャンピオン』と、アポロ11号の月面着陸に首ったけの夏休みを過ごしていました。「夏休みの宿題は進んでるの?」 と、母親がやきもきしだした8月の中旬だったと思います。何気にテ…

ウイグル人と『ムカーム』

音吉は20代の頃、紙媒体の仕事で生活していたんですが、ひょんなことから評論家先生や某有名誌の編集委員さんに誘われて、旧社会党の副委員長さんがリーダーを務めるマスコミ関係者の中国取材旅行に同行したことがあります。 その折に、ある音楽との鮮烈な出…

タテタカコと映画『誰も知らない』

今回は、音吉が結婚してからのお話です。 2004年のことです。当時、まだ小学生だった3人の子どもたちと一緒にDVDで映画を観ました。是枝裕和監督作品の『誰も知らない』です。 この映画は1988年にあった巣鴨子供置き去り事件という実話をもとにしています。…

J.S.バッハ『ブランデンブルグ協奏曲第3番』聴き比べ

先だって、Facebookのお友達から、「聞き比べ楽しいですよね。指揮者別も面白いですよ」 というコメントを頂きました。まことにもってその通りだと思い、今回は規模の小さな合奏協奏曲で聴き比べをやってみたいと思います。 曲はJ.S.バッハのブランデンブル…

フィービ・スノウと『サンフランシスコ・ベイ・ブルース』

高校生の頃から輸入盤を買う楽しみを知って、放課後や休日に音吉は友達とつるんでレコード店巡りをするようになりました。 初めは、同じレコードなら国内盤より輸入盤のほうが安く買えるからというのが理由だったんですが、じきに「日本で知られていないヤバ…

リゲティと『2001年宇宙の旅』

www.youtube.com スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick, 1928 - 1999)監督の名作『2001年宇宙の旅("2001:A Space Odyssey", 1968)』を音吉少年が観たのは小学3年生の夏休みでした。どこで観たのかはよく思い出せないのですが、たしか従兄に付き…

エンニオ・モリコーネと『ニュー・シネマ・パラダイス』

www.youtube.com 7月6日に数々の映画音楽で親しまれたエンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone, 1928 - 2020)が亡くなりました。享年91歳でした。 音吉は『ニュー・シネマ・パラダイス("Nuovo cinema Paradiso", 1988)』や『マレーナ("Malèna", 2000)…

ショパン『幻想即興曲』聴き比べ

今日は、小学生の音吉が熱に浮かされたように聴いていたショパン(Frédéric François Chopin, 1810 - 1849)の作品から『幻想即興曲(即興曲第4番嬰ハ短調 作品66, Fantaisie-Impromptu)の聴き比べをしてみたいと思います。「同じ曲でしょ、じゃあ誰が弾い…

西洋音楽と現代の日本人

メシアンの音楽に初めて触れた頃のお話にも書きましたが、音吉少年は日曜の夜11時からNHK-FMで放送されていた『現代の音楽』を欠かさず聴いていました。 当時、番組を担当していた上浪渡さんのお喋りは、正直に言いますが好きではありませんでした。作曲者や…

カール・W・スターリングと『ルーニー・テューンズ』

1963年のロードランナー・ショーです。 1943年の作品。エンディングがポーキーのバージョンです。 音吉の少年時代は、以前にアップした『トムとジェリー(Tom and Jerry)』はもちろん、『ルーニー・テューンズ(Looney Tunes)』なしでは語れません。とはい…

ジュリエット・グレコと『パリの空の下』

www.youtube.com 音吉少年にはお爺さんのお友達がいました。ピシェさんというフランス系カナダ人の神父様で、既に頭頂部に御髪はなく、丸眼鏡をちょんと鼻に乗せて上目遣いに人を見る癖のある小柄なお爺さんでした。お年の割には身のこなしが機敏で、白いリ…

クラフトワークの『Autobahn』

www.youtube.com 高校受験の勉強たけなわの、中学3年生の夏休みのことでした。昼下がりに居間でゴロゴロしていたら電話がかかってきました。 ベルリン自由大学に留学していた従兄が一時帰国し、「遊びに来い」 とのお達し。音吉の母は、「音吉が受験生だっ…