音楽なら入れ食いですが何か?

野良ネコ音吉のジャンル破壊音楽ブログ

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

古代ギリシャの楽譜と『セイキロスの碑文』

www.youtube.com 音吉の父が持っていたクラシックの音楽全集。10巻は軽くあったかな。白いハードケースにレコードと立派な装丁の解説書が入っていて、クラシック音楽を体系的に聴くことができるという以外は版元も覚えていないんですが、たったひとつ、覚え…

金延幸子とNHK少年ドラマシリーズ『とべたら本こ』テーマ曲

小学2年生の時、音吉は都会から田舎の学校に転校しました。そこで待ち受けていたのは、豊かな自然でもなければ純朴な友達でもなく、壮絶な虐めでした。 それも小学校を卒業するまでの4年間です。3年生までは、チラホラとあった虐めを先生がカバーしてくれ…

初めて買った現代音楽はメシアンの『アーメンの幻影』

www.youtube.com 現代音楽と呼ばれるジャンルのレコードを音吉が初めて買ったのは小学5年生の時でした。 それまで熱に浮かされるようにショパンを聴いていた音吉でしたが、憧れのショパン弾きだったサンソン・フランソワ(Samson François, 1924 - 1970)が…

ソノシートとショパン

ディスク社の音楽雑誌『世界名曲シリーズ』第4集より レコード世代の方なら、たぶん「ソノシート(Sonosheet, [英] Flexi disc)」のことはご存知でしょう。ペラペラの塩化ビニール製レコードで色は様々。サイズはシングル盤と同じ17センチ(稀に8センチ盤…

向田邦子とNHKドラマ『阿修羅のごとく』テーマ曲

www.youtube.com 音吉が大学生だった1981年8月のことです。 アルバイト先だった通信社でベルの音がオフィスに鳴り響きました。記事のタイトルに"urgent"の文字が打ち込まれた速報が流れると、決まってテレックスが鳴らすアラートでした。 速報は数分から数…

竹内勉とオリジナルの民謡

www.youtube.com 音吉が高校生だった1970年代の後半はラジオ番組の全盛期で、深夜放送だけではなく、今思えば価値ある番組がオンエアされていました。 とりわけ音吉が忘れられないのは、NHK第一の16時台に週一で放送されていた民謡の番組で、パーソナリテ…

リパッティとモーツァルトの『ピアノ協奏曲第21番』

www.youtube.com 3楽章のみです。全曲を聴きたい方はこちらをどうぞ。 https://www.youtube.com/watch?v=8z72vIfeINo 子供時代にクラシック音楽に親しみ、モーツァルトが嫌いだったという方は、あまりいないんじゃないでしょうか。明快で愛らしいモーツァル…

ルイ・アームストロングの『この素晴らしき世界』

www.youtube.com 音吉が中学生になって買ってもらったいちばん高価なものは、ソニーのマルチバンド・ラジオでした。スカイセンサー5500(ICF-5500A, 1973年発売。\18,800)といって、上位機種のスカイセンサー5800(ICF-5800, \20,800)とともに当時の日本に…

ラヴィ・シャンカルの思い出

www.youtube.com ビートルズの『抱きしめたい』を紹介した時に、音吉の家にご近所の学生寮に住む学生たちが出入りしていたお話を書いたんですが、その一人にインド哲学を専攻していたニシダさんという学生さんがいました。 ボサボサ頭に分厚い唇。日焼けして…

ジャクソン5と『ABC』

www.youtube.com 大阪万博が開幕して世が万博一辺倒になった1970年の春休みのことでした。 当時小学6年生になったばかりの音吉は、街のレコード店で流れていた音楽に即、感電してしまいました。ビートの効いた子供にも親しみやすいバブルガム・サウンドを、…

「音楽に国境はない」っていうけど…

国際的な慈善コンサートなんかで、成功に酔いしれたミュージシャンが顔を紅潮させて、 「音楽で繋がろう! 音楽に国境はないんだ!」 なんて絶叫する光景を目にすることがあります。 世界中、言葉が通じなくとも食事を共にし、酒を酌み交わせば仲良くなれる…

武満徹と『未来への遺産』

www.youtube.com 音吉が大学生の時のことです。 西武線(何線だったかは忘れちゃいました)沿線に住む友人が、喫茶店で都市伝説を語り始めたんです。 「正午過ぎに西武線に乗ると宇宙人に接近遭遇する」 と。 「電車で移動してるってこと?」 「そーなんだよ…

スコット・ブラッドリーと『トムとジェリーのオープニング・テーマ』

www.youtube.com つい先日、『トムとジェリー(Tom and Jerry)』第2期(1961 - 1962)の制作監督を務めたイラストレーターでアニメーターでもあるジーン・ダイッチ(Gene Deitch, 1924 - 2020)の訃報が目にとまりました。4月16日にプラハの自宅でお亡く…

クレマン・ジャヌカンの『鳥の歌』

www.youtube.com 以前に取り上げたノートルダム楽派のギヨーム・ド・マショーから200年も経たぬ15世末、西欧の音楽はノートルダム楽派の頃のオルガヌム(Organum, 四度か五度の二声の和声)のような素朴なポリフォニー(Polyphony, 多声音楽)から更に複雑な…

ヴィクトリア・デ・ロスアンへレスの『中世及びルネッサンス期におけるアンダルシアの歌』

父の持つ赤盤(赤い色のレコード)の中に、ひときわ子供心をくすぐるものがありました。ジャケの体裁も立派なハードボックスで、レコードは一枚しか入っていないのに、ライナーノーツがちょっとしたムックの体裁になっているもので、シンプルで美しいサウン…

利喜丸姉さんと『金毘羅船船』

音吉が小学4年生の時のことです。 音吉の自宅にはピアノがあり、音大で教鞭をとっていたS先生が週に2回、ピアノの個人レッスンをしていました。音吉も教わっていたのですが、ある日のこと、音吉と入れ替わりに見知らぬお婆さんがレッスンの部屋に入ってい…

ビートルズの『抱きしめたい』

音吉少年の自宅のそばには某ミッション系大学の学生寮があり、プロテスタント教会(日本基督教団)の牧師をしていた父の許には、寮に住む学生が頻繁に出入りしていました。 そんな学生の中に音吉を実の弟のように可愛がってくれたエンドーさんという方がいて…

NHK大河ドラマ『新平家物語』テーマ曲と桜井英顕

洋楽とクラシック音楽にズブズブの日々を送っていた少年時代の音吉に、新たな世界の扉を開いてくれた音楽があります。 自分が依って立つ日本の歴史と文化とは一体、どんなものなのか。もちろん小学生が意識することではありませんでしたし、キリスト教徒の家…

ビリー・ホリディの『奇妙な果実』

音吉が少年だった頃の日本は高度経済成長期の真っ只中。そしてマスコミから伝わる海外のニュースは米国一色でした。ケネディ大統領の暗殺やベトナム戦争などなど、印象深いニュースだけでもキリがないほどですが、キリスト教徒だった両親の関心事に強い影響…

ピート・シーガーの『We Shall Overcome』

教会の前で聖書をかざし、デモの武力鎮圧を正当化するトランプ大統領の姿をテレビで見て、言い知れぬ嫌悪感を覚えました。キリスト教徒の僕にとっては耐えがたい光景だったからです。 気持ちのほうが先に立って、今日は何も書けそうにありません。コロナ禍と…

ウィルソン・ピケットの『ダンス天国』

1910フルーツガムカンパニーの『サイモン・セッズ』を聴きながら友だちと踊った音吉少年でしたが、もう一枚、自然に体が動き出すサウンドがありました。ソウル(Soul music, 広義にはR&B[RnBとも表記。リズム&ブルースのこと])シンガーのレジェンド、ウ…