音楽なら入れ食いですが何か?

野良ネコ音吉のジャンル破壊音楽ブログ

吉森信と『夏目友人帳』

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 音吉は子どもの頃からのマンガ好き。もっぱらギャグ物と恐怖物でしたが。音楽同様の入れ食いで、面白そうだと思ったら少女マンガにも手を出していました。
 とはいえ小学生の小遣いで買えたのは週に一冊。時期によって違いましたが、少年マガジンや、サンデー、チャンピオンを買うのが精一杯でした。なので少女マンガは女子(とか男子とか何であんな言い方をしてましたかね? 照れかな)の家に出かけて行って詠ませてもらっていました。土田よしこ楳図かずお、時には山岸涼子なんかも読んでました。
 そのせいでしょうか、今でもマンガはジェンダーレスに読んでいます。とくに最近のものはジェンダーでジャンル分けする必要があるのかと思えるほど内容に性の差を感じないものがたくさんありますね。

f:id:riota_san:20200726113750j:plain  ここ数年は緑川ゆき(1976 - )のマンガにハマっています。『夏目友人帳』の作者ですが、彼女の感性には本当に感動させられます。『蛍火の杜へ』(花とゆめコミックス)の結末に還暦前のオッサンが泣いた泣いた。彼女の作品に共通しているある種の切なさと愛おしさが、音吉のもつ「浪花節」をくすぐるんでしょうね。ネタバレになるので内容を書くことはできませんが、一読の価値があるものばかりです。  2008年から現在に至る12年間にわたって制作・放送されている『夏目友人帳』のアニメはご覧になった方もいるんじゃないでしょうか。勘の鋭い方なら、 「ははーん、アニメの途中で流れている曲の話がしたいんでしょ?」  と思うかもしれませんが、図星です。

 ストーリーもさることながら、劇伴曲が見事な曲ばかりなんです。音吉は大脳よりも古い脳のほうが先に反応するようで、話の筋を忘れて音楽に聴き入ってしまうことが度々。うっすらと細雪が地を覆うように、パラパラとした音符が静かに心に降り積もるかのような不思議な音楽なんです。  音楽を担当しているのは吉森信(よしもりまこと, 1969 - )。ピアニストでアレンジャー、そしてアニメや映画作品の劇伴音楽の作曲にも携わるマルチな才能の持ち主です。なによりも使い捨てのメロディが量産される現代にあって、これほど味わいのあるメロディを生み出してくれる作曲家は絶滅危惧種にも似た存在かもしれません。  今日は珍しく言葉少なに脱稿します。シンプルで美しい『夏目友人帳』の劇伴音楽。暑い夏の昼下がりに、冷たい麦茶をいただきながら聴いてみてはいかがでしょうか?