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野良ネコ音吉のジャンル破壊音楽ブログ

ピエール・モントゥー

 ピエール・モントゥー(Pierre Monteux, 1875 - 1964)は、前世紀を代表するフランス人の指揮者です。若い頃にディアギレフのロシア・バレエ団に所属してタクトを振ったことから、ラヴェルの『ダフニスとクロエ』やストラヴィンスキーの『春の祭典』『ペトルーシュカ』といった名曲の初演を数々こなした「歴史的」な指揮者でした。

 ディアギレフの下を去り渡米した後も、メトロポリタン歌劇場の指揮者を経てアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団ボストン交響楽団、パリ交響楽団サンフランシスコ交響楽団ロンドン交響楽団などの常任・主席指揮者を歴任し、後進の指導にも熱心にあたるなど、モントゥーは生涯にわたって音楽界に大きな影響を与えました。

 大きな髭を鼻の下に蓄えた風貌は、子供の音吉には「背広を着たサンタクロース」に思えて、「サンタさんのレコード」とつぶやきながら彼のレコードを探していました。音吉が持っていたのはA面に『牧神の午後への変奏曲』、B面に『亡き王女のためのパヴァーヌ』の収録されたシングル盤でした。オケはロンドン交響楽団だったと記憶しています。

 彼の生み出す音楽は高貴・典雅という言葉に尽きます。強いパッションを感じさせながらも、それを大げさに表現することは決してせず、豊かな感情をコントロールの効いた抑揚とプロミネンスでオーケストラに歌わせるこのできた稀有な指揮者でした。

 今回は子供の音吉が聴いていたレコードではなく、モントゥーが初演したラヴェルの『ダフニスとクロエ』から有名な『夜明け』をアップしますね。

 

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